100px-Pink_ribbon.pngピンクリボン(Pink ribbon)とは、乳がんの撲滅、検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーン、もしくはそのシンボル。日本人女性のうち、乳がんを発症する割合は約25人に1人と言われており、また、乳がんで死亡する女性の数は年間約1万人弱とされ、そのキャンペーンは年を増すごとに拡大している。 『ウィキペディア(Wikipedia)』フリー百科事典より
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乳がんホルモン療法



乳がんの増殖とホルモン

乳がんの60〜70%は、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて、分裂・増殖します。つまり、エストロゲンが乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体と結びつき、がん細胞の増殖を促します。このように、エストロゲンを取り込んで増えるタイプの乳がんを「ホルモン感受性乳がん」といいます。

各図の上でクリックして頂くと拡大します。
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エストロゲン
卵胞ホルモンのことで、いわゆる女性ホルモンのことであり、[エストロン(E1)]、[エストラジオール(E2)]、[エストリオール(E3)]があります。分泌源は主として、卵巣の卵胞ですが、妊娠時の胎児胎盤系などからも分泌されます。卵巣からのエストロゲンの分泌は、下垂体前葉より分泌される性腺刺激ホルモンにより支配されます(下行性調節)が、逆にエストロゲンによる間脳下垂体系へのフィードバック作用も認められ(上行性調節)、両方の相互関係によって性周期が成立しています。


ホルモン療法とは

乳がんがエストロゲンの影響を受けて増殖するという性質を利用した治療です。卵巣を摘出する外科的な治療法もありますが、一般的には、「ホルモン療法剤」を用いてエストロゲンの産生を抑えたり、エストロゲンが受容体と結合するのを阻害することによって、がん細胞の増殖を抑制します。

ホルモン療法剤には「LH-RHアゴニスト製剤」「アロマターゼ阻害剤」「抗エストロゲン剤」があります。これらはがん細胞を直接やっつける抗がん剤と比べて、その作用は穏やかで、副作用が現れにくいのが特徴です。ホルモン療法は、ホルモン感受性乳がんに効果があり、ホルモン療法の有効性が期待できるかどうかは、がん細胞の中にあるホルモン受容体(エストロゲン受容体と黄体ホルモン「プロゲステロン」受容体)の量を調べることでわかります。ホルモン療法は、ホルモン感受性乳がんに対する術後補助療法、進行・再発乳がんの治療に用いられます。

乳がんに用いられるホルモン療法剤

閉経前と閉経後ではホルモン療法剤が使い分けられます。

閉経前は、卵巣からエストロゲンが分泌されます。「LH-RHアゴニスト製剤」は、卵巣を刺激する脳の下垂体の働きを抑えることで、エストロゲンの分泌を減らし、乳がん細胞の増殖を止めます。この薬は注射薬で、1カ月に1回(リュープロレリン、ゴセレリン)または3カ月に1回(リュープロレリン)、皮下に注射します。

使用中は月経が止まりますが、中止すると月経はもとに戻ります。

閉経後は、脂肪組織や乳がん組織内にあるアロマターゼという酵素がエストロゲンを作りますが、アロマターゼ阻害剤投与によりこれらの部位にエストロゲンを減らし、乳がん細胞の増殖を止めることができます。この薬は内服薬で、1日1回服用します。

「抗エストロゲン剤」は、がん細胞にあるエストロゲン受容体に結合することで、乳がん細胞の増殖を止めることができます。この薬は、閉経前後に使用することができますが、タモキシフェンが閉経前後、トレミフェンが閉経後のみに使用できます。

術後補助療法にLH-RHアゴニスト製剤を使用する場合は、2年間投与が一般的です。抗エストロゲン剤は5年間投与が一般的です。アロマターゼ阻害剤は(1)5年間投与、(2)抗エストロゲン剤を2〜3年投与後、アロマターゼ阻害剤に切り替えて合計5年間投与する方法があります。

閉経前 : リュープロレリン/ゴセレリン/タモキシフェン


閉経後 : アナストロゾール/エキセメスタン/レトロゾール/

      タモキシフェン/トレミフェン


ホルモン療法剤の作用機序
上から5ヶ所の順で図の上でクリックして頂くと拡大します。

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ホルモン療法の主な副作用

エストロゲンは、本来、女性の健康にはなくてはならないはたらきをしているため、ホルモン療法剤によるエストロゲン分泌や作用を阻害することによって、更年期様症状などの副作用が現れます。


更年期様症状
ほてり・のぼせ・頭痛・めまい・熱感・肩こり・不眠・発汗・うつ状態など

エストロゲンが低下することによって起こる症状です。気分転換を取り入れて、じょうずに乗り切りましょう。

体重増加

エストロゲンが低下することにより、コレステロールがたまりやすくなることがあります。また、術後は運動不足やストレスによる過食などで体重が増えやすくなります。
食べ過ぎに注意し、適度な運動を心がけましょう。

骨量(骨に含まれるカルシウムの量)の低下

エストロゲンが低下すると、骨のカルシウムが減少する骨粗鬆症という病気になることがあります。
長期にわたって治療を行う場合には、定期的に骨の状態を検査してもらうようにしましょう。

ホルモン受容体
ホルモンの標的器官の細胞に局在し、そのホルモンと、特異的にかつ高い親和性をもって結合するタンパク質の巨大分子を受容体と呼びます。その受容体とホルモンとの結合が,標的細胞でのホルモン効果発現への出発点となる場合に、この受容体をホルモン受容体と呼びます。ホルモン受容体には、細胞における部位により細胞膜受容体と細胞内受容体に分類されます。

エストロゲン受容体
エストロゲンの標的組織の細胞内に存在し、エストロゲンと特異的かつ高親和性に結合する大きなタンパク質をエストロゲン受容体と呼びます。この受容体とエストロゲンが結合すると、受容体に活性化が起こり、エストロゲンの効果が発現します。

プロゲステロン
黄体ホルモンは女性の性周期および妊娠の成立、維持に重要な役割を果たすステロイドホルモンで、非妊娠女性においては主に卵巣黄体より分泌されるため黄体ホルモンとも呼ばれます。その他妊娠時の胎盤絨毛からも分泌され、プロゲステロンは「妊娠を成立、維持するホルモン」とも呼ばれます。

LH RH 下垂体前葉のゴナドトロピンであるLH/FSH、またはLHの分泌を調節している視床下部ホルモンで10個のアミノ酸よりなるペプチドです

更年期
更年期は女性の一生の中で閉経前後の数年間をさし、成熟期(生殖期)から老年期(生殖不能期)への移行期を言います。更年期は個人により一定していないが、50歳前後の時期と考えられます。

この更年期にさしかかると、女性の性機能の中心である卵巣機能が衰えはじめ、内分泌の環境は徐々に、あるいは急激に変動し、月経不順からついには閉経に至ることもあります。性器は萎縮・退化し、全身の老化現象が現れてくる状態になります。

骨粗鬆症
骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。高齢者人口の増加に伴ってその数は増加傾向にあります。骨の構造から見ると、皮質骨よりも海綿骨の量が減少しています。複雑にからみあったジャングルのような網目構造がくずれて、あちこちでジャングルの「棒」(骨梁)がなくなっていくために骨が弱くなっています。



タグ:乳がん
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Excerpt: アゴニストアゴニストとは生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどと同様の機能を示す作動薬のこと。現実に生体内で働いている物質は通常アゴニストとは呼ばない。それは、持っている作用が生体物質と...
Weblog: さまざまな医薬品
Tracked: 2007-11-09 08:25